いじめ被害者サポートが必要なのでは

 引きこもりについての本を読みながらも思ったけれど、いじめを経験して大人になった人たちへのサポート機関のようなものが、日本にはあってもいいのではないかな。

 幼少期や成長期に長期に渡りいじめの被害に遭うということは、のちのちのその人の人生から永遠に尊厳を奪うことが少なくない。天真爛漫に過ごすべき子供時代に、まわりの人間が全員敵であり、全員が自分に危害を与える者であり、常に周囲の全員に警戒して過ごさなければいけないのだ。まだ子供なのに、いかに人間が恐ろしいものかを骨の髄まで感じながら毎日を過ごさなければならないのだ。それがどういう意味を持つのか、健全な人にはなかなか理解できないのではないだろうか。

 人格の可塑期にそういう環境にあると、人間必ず歪みが出る。いわゆるトラウマということなのだろうが、成長期に受けた傷は深く入り込むので、いじめ被害者は一生この傷をかかえて過ごさなければならない。本人もそれがいじめのせいとは気づかないままに、大人になっても、自己否定、人間不信、対人恐怖、社会不適応、うつやその他の病気に苦しみ続けることが多いと思われる。いじめにあったと告白すれば今度はこの社会では「いじめられたほうが悪い」と言われるのだからえげつない。それでは救いがない。

 日本はこれだけのいじめ社会なのだから、もう少しサポート体制があってもいいと思う。私自身はカウンセリングというものにあまり意味があるとは思っていないが、カウンセリングや自助グループなどへの窓口といったものだろうか(といっても日本人の特性からいって、自助グループでも特定の主張の強い人ばかりが喋り続けて、こういう場がうまくいかない可能性は高いと思うけれど…)。

参考サイト
http://www.ijime-trauma.com/