名前と改名の話

 母の10人きょうだいの内、女は6人いて、その内母を含めた5人の名前には全員、貞、姫、淑、順、小花といった従順そうな漢字が使われている。そしてただ一人、末っ子である西太后イモだけが、男のような強そうな漢字が使われている。烈という字と、もう1字も堅い印象の男に使うような漢字。韓国で「烈女」は「貞女」に近い意味だとはいえ、この人の場合はキョーレツとかモーレツって意味が強く出たように見える。だって他の姉妹は小花とか姫だからねえ。姫のつく母はある意味何も考えないお姫さまのような性格だし。まさしく名は体を表す。名前って本当に大事だ。

 西太后イモは娘たちの名前を改名している(今回Mさんに聞いて初めて知った)。長女であるMさんが高校生くらいの時だったそうだ。韓国は日本に比べると改名は容易で、改名している人は結構いる。

 その改名の理由というのが、「名前に“子“がついて日本風だから」というもので、まあ自分でつけておいて勝手なものだなと思う。もしかしたら娘たちの名前をつけたのは夫でその夫が早死してもういないから、だったのかもしれないが。

 とにかく3人の娘の名前を変えようと、着名所(姓名判断)に聞いた所が、真ん中の娘だけ変えるべきではないと言われ、2人だけ変えることになった。その改名しなかった娘はのちにシスターになり、今もフランスで修道女をしている。Mさんは「この子は神様に仕える運命だということがわかったからじゃないか」と言っていたが、どうだろう。本人の幸せに繋がったかどうかはわからないが、とりあえず母である西太后イモの理想通りに育ったのだけは確かだ。

 名前というものはよく「親からの最初のプレゼント」などと言われるが、それはいい親いい条件で生まれた人の話で、そうでない場合は「親からの呪いの言葉、呪文」にもなり得る。毒親のもとで育った人や虐待されて育った人は、大人になっても、自分の名前を呼ばれるのが嫌いな人が多いはずだ。名前を呼ばれるとびくっと緊張したり、不安になるからだ。そういう人は改名した方がいいと思う。