花猫がゆく再訪1

 「花猫がゆく」というタイトルでネットに文章を載せたのはもう10年以上前になるのかな?当時はブログもSNSもなく、「ホームページをつくる」というアバウトな言い方で、簡単な時代だった。韓国の親族訪問した折にあったことを覚え書きとして、特に深い考えもなくアップしてみた。嫌韓ネトウヨも今ほと目立つ形ではいなかったので大して気にしなくてよかった。人は人、自分は自分という考えを今よりは持つことができた。今はずいぶん窮屈になったと感じている。

 その内の一部をまとめて某賞に送ったら賞をいただき、結構面白く読んでもらえたのだなと思うことができた。今だから言うと、その年の審査委員長は椎名誠で、他の審査委員の人たちが私の完成度の低い文章をあまり推さなかったところを椎名氏が「ゼッタイこれが面白い」と推してくれたので私のに決まったのだとスタッフの人から聞いた。その前後の年は別の人が審査委員だったので、違う年だったら受賞はしてなかったと思う汗。

 先日その親戚をまた訪問する機会があった。実は前の覚え書きの時からもう何度か行っていて、挨拶で立ち寄ったのも含めると4度目(5度目かな?記憶が不確か)なのだけど、今回は前に比べるとかなり韓国語能力が上がっているのと、親戚とがっつり一緒にいたため、久しぶりに濃い訪問となった。この間、大統領の弾劾とそれに伴う様々な事件があったため、韓国のテレビやメディアに多く触れ、韓国に関する知識もあり、思うところもいろいろあった。

 別に特に行きたくて行ったわけでもなかった。親の介護も一段落つき少し時間の余裕ができたことで旅行が可能になったことと、うちの家族で韓国の親戚とつながりを持つのも私が最後かな、それなら私が少し橋渡し的な役割をしてもいいかな、という漠然とした思いから、もう一度会いに行ってみることにしたのだった。母方の親戚で日本で付き合いのある人はほぼいないので、どんな人たちか会ってみたかったというのもある。

 結果、激しく疲れて帰ってきたけれど、もし行っていなかったら「一度行ってみなければ」と思ったままずっと過ごすことになるので、まあこれでよかったのかもしれない。