「もし僕のパパがロックスターだったら」 本の感想と覚書

 デヴィッド・ボウイの息子のダンカン・ジョーンズ(幼名?ゾウイ)は現在映画監督をしていて、なかなか評価の高い映画をつくっているということを昨年あたりに知り、デヴィッド・ボウイの息子として育つのって一体どういう感じなんだろうなあ、すげえ環境だよなあ、などと考えていた。一番ハデだった頃のボウイとアンジーと一緒に写っている子供の写真を見たことがある人なら誰でも「あの子供が…」と感慨にふけるはずだ(どう見ても、子供の教育には悪そうな環境に見えた)。しかも、ダンカン氏はかなり堅実な人物に育っているらしい。

 そもそもamazonジェフ・バックリィを検索したら、この本が出てきたのだ。ジェフ・バックリィを検索するだけでこういう本を出してくるamazonの検索システムに驚いた。

 ジョン・レノンの人格についての記述がかなりネガティブで、ジュリアンにはたいへん同情してしまった。ポール・マッカートニーがジュリアンを可哀想に思って「ヘイ・ジュード」を作ったいきさつもよくわかった。今までなんでジョンの子供の歌をポールが作って歌ってるのか、意味がよくわからんかったので。

 ポールといえばリンダ・マッカートニーという人も不思議な人で、特にすごい美人というわけでもなく、離婚歴もあって連れ子もいたのに、ポールはどんな女も選り取りみどりの中、この人を選び、添い遂げた。一体リンダにはどんな魅力があったのだろう。この本によると、ウイングスでリンダがバンドに参加したのも、リンダは渋っていたのに、四六時中一緒にいたいと望んだのはポールだったのだそうだ。

 息子が堅実で立派な人物に育ったデヴィッド・ボウイなのだが、この本によると、けっこうあれで息子の教育には気を使っていたようだ。悪いひとたちや環境から守ってやり、そのおかげでデヴィッド自身も悪い環境から身を引けた部分もあったようだ。麻薬で苦しんでいた頃、息子にかなり助けてもらったと書いてあった。ロックスターにはクレイジーに見えてホンマにクレイジーな人と(キース・ムーンとかオジー・オズボーンとか?)戦略的にクレイジーに見せているけど、実生活ではけっこうちゃっかりしっかりやっている人とがいるみたいだ。ボウイは後者なのだろう。イメージと違うといえば、フランク・ザッパが実は麻薬は全くやらないというのも面白い話だと思う。

 少し前、ネットでボブ・ゲルドフの娘のニュースを見つけ、それでゲルドフ家とマイケル・ハッチェンスとの間の騒動を知った。これはいろんな醜聞のデパートであり、この本では(普通は自殺とされている)ハッチェンスの死因もさらっとはっきり「性的な事故」と書かれていた。youtubeにその点についてのドキュメンタリーがあったので見てみたら、化粧っけのない生前のポーラ・イェーツがインタビューに答えていた。リンダも不思議だけどこの人もまた不思議で、たぶんハッチェンスより年上で、それほど美人というわけでもなく、3人の子持ちで、一方ハッチェンスはセックスシンボル的なロックスターで、女は選り取りみどりでスーパーモデルと付き合っていたのに、不倫の上この人と結婚する。どこがよかったんやろうなあ…としみじみする。ポーラ・イェーツという人の人生の浮き沈みも。ハッチェンスの死因は…そういうこともあるんかいなあ…とこれもしみじみした(英語なのでよくはわからないが、ドキュメンタリーに出ていた専門家によると、□□しながら○○すると△△だとか何とかで、これにはまっている人は実は多いのだとか。元妻のイェーツも、彼は本当にデンジャラスボーイで、付き合いきれないこともあったと語っている)。

 掲載されている写真の、セレブの子供たちを見ていると、みんなセレブの親と顔がよく似ている。親子ってこんなに顔が似るもんなのかな、2分の1のはずなのにな、と変なことに感心した。きょうだいは似てないこともあるのに、親子って似るんだね。